本記事ではワールドベンチャーズをテーマに、基本情報と怪しい理由を解説しています。
ワールドベンチャーズとは?会社の概要
ワールドベンチャーズは2005年に創立された旅行系のMLM会社。
「世界最安値で豪華ツアーを提供」というのが、ワールドベンチャーの謳い文句です。
名 称 | Worldventures Holdings LLC |
創設者 | Wayne Nugent、Mike Azcue |
所在地 | 5100 Tennyson Parkway Plano, TX 75024, USA |
電話番号 | 972-805-5100 |
URL | http://www.worldventures.com/ |
世界中で800万人、日本では1万5,000人以上の会員がいると言われています。
ワールドベンチャーズの会費・商品・報酬システム

ワールドベンチャーズの仕組みについて詳しく解説していきます。
ワールドベンチャーズの会費
ワールドベンチャーズには4つの会費パターンが存在します。
ユーザー会員 | ビジネス会員 | |
ゴールド会員 | 入会金:280ドル月会費:57ドル | 入会金:405ドル月会費:82ドル |
プラチナ会員 | 入会金:480ドル月会費:100ドル | 入会金:605ドル月会費:125ドル |
チタン会員 | 入会金:1,120ドル月会費:120ドル | 入会金:1,170ドル月会費:175ドル |
ユーザー会員とビジネス会員の違いは、「ワールドベンチャーズを紹介することで、報酬を得られるか否か」です。
ユーザー会員の方が会費が安いですが、ユーザー会員はワールドベンチャーズを紹介して報酬を得られません。
ゴールド会員とプラチナ会員、チタン会員の違いは、「旅行時の待遇の違いとポイントのたまり安さ」です。
勧誘を受ける際には、ほとんどの場合は、ビジネスのチタン会員になることをおすすめされます。
ワールドベンチャーズの商品(旅行)
ワールドベンチャーズの主な商品は2種類あります。
ドリームトリップス
ドリームトリップスはワールドベンチャーズの目玉商品です。
「4~5つ星ホテルを2~3つ星ホテルの値段で」をキャッチフレーズに、世界中の国々へのツアーを行なっています。
ツアーは有名な高級ホテルへの宿泊、食事、市内観光、クルージング、エステ等の様々なアクティビティを含んでおり、訴求力が高いです。
ロビア
航空券、ホテルなどを業界最安値で予約することができるサービスです。
ワールドベンチャーズの会員のみが利用できます。
なおワールドベンチャーズには他者でより安い航空券や旅行ツアーパッケージを見つけた場合、料金を返金する「価格プロミス」という仕組みがあります。(期限あり)
この価格プロミスがワールドベンチャーズの売りです。
ワールドベンチャーズの報酬システム
ワールドベンチャーズでは大きく分けて3つの報酬システムが存在します。
ダイレクトコミッション
会員を紹介する度にもらえる報酬です。
紹介した人の会員種別によって報酬が異なり
- チタン会員なら100ドル
- プラチナ会員なら50ドル
- ゴールド会員なら20ドル
もらえます。
チームボーナス
アクティブ(会員として利用を継続している)直紹介者の人数によって、「タイトル」が付与され、チームが形成されます。
そしてそのチームメンバーが会員を紹介すると報酬が大きくなっていく仕組みです。
MLMでは珍しいものではありません。
スペシャルボーナス
タイトルが上昇していき最高タイトルを獲得すると毎月3,000ドルのボーナスを、2番目のタイトルを獲得すると毎月1,000ドルのボーナスを支給されます。
ワールドベンチャーズが詐欺だと言われている理由

商品の問題点
ワールドベンチャーズは、他社よりも安く旅行ができるとしています。
しかし航空券予約サービスのロビアよりも、大手航空券予約サービスのAgodaやSkyscannerで予約した方が安いです。
またドリームトリップスの旅行パッケージよりも、同グレードで安い旅行パッケージは数多く存在します。
「価格プロミスによって、最安値が保証されており、他社の方が安い場合、返金に応じる」というのがワールドベンチャーズの主張です。
しかしロビアでは「返金を受けようとしても窓口をたらいまわし」にされます。
またドリームトリップスでは「全く同じ内容の旅行パッケージ」にしか価格プロミスは適用されません。
たとえばたった1つのアクティビティーの有無や、少しの時間の違いによって価格プロミスが適用されなくなるわけです。
このようなお粗末なサービスを提供するワールドベンチャーズを、他の人に紹介するわけにはいきません。
仮に紹介したとしてもすぐに退会してしまい、タイトルを獲得して高額報酬を受け取るのは夢のまた夢です。
嘘の有名人会員たち
ワールドベンチャーズの擁護論として、ウォーレンバフェットやケイティーペリー、マーク・ザッカーバーグなどの有名人会員がいるという意見があります。
しかし真っ赤な嘘です。
これらの有名人がワールドベンチャーズを利用しているというオフィシャルな情報はどこにもありませんでした。
ネットでは「You should be here」という横断幕を持った会員と様々な有名人が写っている写真を見つけられます。
しかしこれは有名人に「一緒に写真を撮ってください」と言って撮った写真を利用して「〇〇(有名人の名前)も協賛」などと嘘をつく詐欺師の常套手段です。
ワールドトラベルアワード
ワールドベンチャーズの擁護論として多いのが、「ワールドベンチャーズはワールドトラベルアワードという旅行業界のアカデミー賞と呼ばれる賞を受賞しているから安心」というものです。
しかしこの擁護論は全く的を射ていません。
ワールドベンチャーの売りは「最安で豪華旅行を楽しめること」ですが、ワールドトラベルアワードの受賞は「最安」であることを証明するものではないからです。
そして最安でなければ、わざわざ入会費や月会費を支払ってまでワールドベンチャーを利用する理由はありません。
規模の大きさ
ワールドベンチャーズは世界中に1,000万人近くの会員があるから怪しくないという擁護論もあります。
しかし規模が大きいから怪しくないというのは間違いです。
元NASDAQ会長のバーナード・ローレンス・マドフが起こした「マドフ事件」をご存知でしょうか?
マドフはありとあらゆる企業、団体、有名人を30年近く騙し続けて、5兆円の被害をだし、歴史上最悪の詐欺事件と言われています。
日本の野村證券、住友生命保険、日本興亜損保なども被害に合いました。
またネズミ講によって1国が崩壊した「1997年のアルバニア暴動」、日本国内で110万人以上の被害を出した「天下一家の会事件」などの事件もあります。
規模の大きさが、ワールドベンチャーズの信頼性の証明にならないことがお分かりいただけたでしょう。
報酬の未払い
ワールドベンチャーズはビジネス会員に対して高い会費を支払わせていますが、報酬の支払いが滞っているという情報が出ています。
WorldVentures Having Problems Paying Commissions?
という記事では、サイト運営者に対していくつものワールドベンチャーズの報酬の未払いの報告が届いていると述べられています。
過去5年間で7,000人をワールドベンチャーズに勧誘し、月に6桁(ドル)の収入を得ていた会員さえも報酬の未払いによりワールドベンチャーを辞めたようです。
その方は「旅行商品の質は標準以下でキャッシュフローが危機に瀕しており、報酬を支払えなくなっているのではないか」と話しています。
さらに決定的な証拠もありました。
IMD(ワールドベンチャーズの最高タイトル)にまで上り詰め、公式ページやYouTubeチャンネルで紹介されていた「CARLOS ROGERS」という人物がいます。
MASTER IN THE ART OF LIVING: CARLOS ROGERS
そのCARLOS ROGERSに、自身に対してワールドベンチャーズが、96,779ドル支払いを行わなかったとして、2018年に起訴されたのです。
そのことがアメリカの裁判所の発行するRTOの文書で明らかになりました。
WorldVentures Marketing, LLC v. Rogers, No. 4:2018cv00498 – Document 47 (E.D. Tex. 2018)
この時期は丁度ワールドベンチャーズの未払いの報告が出始めていた時期です。
この頃からワールドベンチャーズはキャッシュフローが危機に瀕していたのでしょう。
日本支社ができない
ワールドベンチャーズには日本支社はありません。
2019年には「2019年中に日本支社ができる」という情報が出回り、2020年現在は「2020年前半に日本支社ができる予定」という情報が出回っています。
日本支社ができると言われて1年以上経過していますが、未だに日本支社ができないのはワールドベンチャーズのキャッシュが不足しているからでしょう。
ワールドベンチャーズは報酬が高くない

最後にワールドベンチャーズは、そもそも報酬が高くないという話をします。
まずダイレクトコミッショについてです。
初回1,240ドルもの大金を支払わなければならず、ハードルがかなり高いチタン会員の勧誘に成功しても報酬が100ドルというのは割に合いません。
たとえばサイトアフィリエイトなら「パーソナルジムに入会で2万円」「保険の無料見積もりで1万円」「家庭教師の体験カウンセリング申込で1万1,000円」などの案件があります。
どちらの方が儲かるのかは一目瞭然です。
チームボーナスで儲かる?
「ワールドベンチャーズはチームボーナスで稼げる」という擁護をする方もいるでしょう。
確かにMLMの醍醐味はチームボーナスです。
しかしチームボーナスは、自分が紹介した人が他の会員を紹介しなければ貰えません。
そのためあなたの営業力が高くても、あなたが勧誘した会員の営業力が高くなければチームボーナスは貰えないことになります。
会費が高いうえに、Google検索で名前を打つと予測機能に「未払い」と出てくるワールドベンチャーズへの勧誘は相当難易度が高いはずです。
ほとんどの方はチームボーナスをもらう前に辞めることになるでしょう。
ワールドベンチャーズのまとめ

ワールドベンチャーズが100%稼げないとは言いません。
今でもワールドベンチャーズから報酬を得ている方もいるでしょう。
しかしワールドベンチャーズを今からはじめるのは、おすすめしません。
ワールドベンチャーズには悪い噂がかなり多く、人を勧誘するのが難しいうえ、勧誘できても報酬がもらえるかわからないからです。
今からMLMをはじめるなら、他のMLMをおすすめします。
なおMLMよりもリスクが低く、匿名でも行えるビジネスとして最近ではMLAが注目を集めています。
MLAとMLMの違いについては次の記事を参考にしてください。
https://freesyu.sakura.ne.jp/mlm-mla