仮想通貨

コンセンサスアルゴリズムとは?代表的な4つのアルゴリズムを紹介

仮想通貨投資において、ブロックチェーンが採用しているコンセンサスアルゴリズムを理解するのは非常に重要なことです。そこで本記事では代表的な4つのコンセンサスアルゴリズムを紹介していきます。

コンセンサスアルゴリズムとは?

コンセンサスアルゴリズムは仮想通貨や暗号資産のブロックを追加する際の合意形成アルゴリズムを指します。

ブロックチェーンにおける仮想通貨(暗号資産)のトランザクション(取引)の記録はマイナーがマイニングを行うことで、成り立っています。

マイナーたちは通常、同じトランザクションの記録や計算処理を行っているため、処理の結果は同じになります。

しかし計算ミスや悪意のあるデータ改竄が含まれることで、マイナー全員の答えが一致しないことがあります。

その場合にどのマイナーの結果を採用して処理するかを決めるのがコンセンサスアルゴリズムです。

コンセンサスアルゴリズムは主に4つの種類が存在し、仮想通貨によってどのコンセンサスアルゴリズムを採用しているのかが異なります。

代表的な4つのコンセンサスアルゴリズム

代表的な4つのコンセンサスアルゴリズムを紹介します。

PoW(Proof of Work)

PoW(Proof of Work)とは仕事量で正当性を担保するコンセンサスアルゴリズムです。

PoWの仕事量は消費電力が目安となっており、1番電力を消費して1番早く計算問題を解いた(ナンス値を見つけた)マイナーにブロックを提案する権利が与えられます。

そしてマイナーが提案したブロックが他のノードに承認された場合に、ブロックの追加が可能です。

ブロックを追加したマイナーは報酬として仮想通貨を獲得できます。

PoWのコンセンサスアルゴリズムを採用している代表的な仮想通貨がビットコインです。

PoWのメリット

PoWのメリットはその強固さ(不正の難しさ)にあります。

PoWはナンス値を見つけたマイナーにマイニング報酬が与えられる仕組みです。

新しく付け加えられるブロックは1つ前のブロックとナンス値を含んだハッシュ値で紐づけられます。

そのため不正をするのには、過去にあった全てのナンス値を計算して「不正後のブロックチェーンが正しいブロックチェーンである」ことを証明しなければなりません。

しかし不正を行おうとするマイナーがナンス値を計算している間にも、他のマイナーは正当なブロックチェーンを長くし続けます。

したがって不正を行うためには、他の全てのマイナーの計算スピードを遥かに凌駕する計算力が必要です。

そのため事実上はPoWのコンセンサスアルゴリズムで作成されたブロックチェーンのブロックを改竄するのは不可能となります。

PoWのデメリット

PoWには2つの大きなデメリットがあります。

まず参加できるマイナーが限られていることです。

仕組み上は誰でもマイニングに参加できます。

しかしマイニング報酬を得るためには他のマイナーよりも素早くナンス値を計算しなければなりません。

高性能な設備を備えている企業でなければマイニング報酬を受け取ることができず、巨額資金を持っている特定の存在にマイニング権利が集中することがあります。

その際に問題になるのが51%攻撃です。

51% 攻撃とは悪意のあるグループまたは個人が、ネットワーク全体の採掘速度の 51%(50% 以上)を支配し、不正な取引を行うことを意味します。

ひとつのノードが全体の計算能力の過半数を支配すると

  • 不正な取引の正当化
  • 正当な取引の拒否
  • 採掘の独占

を行うことが可能となります。

51%攻撃を行うには、莫大な投資資金が必要なため、現状51%攻撃が行われるリスクは低いですが、51% 攻撃に対する有効な対策はありません。

もう1つのデメリットが電力の無駄の大きさです。

マイニングの権利が発生するのは1番最初にナンス値を計算できたマイナーだけです。他のマイナーもナンス値を計算しますが、その計算に使った労力は無駄になります。

中には専用の高性能マシーンを大量に設置し、冷却装置まで準備してマイニングを行う企業もありますが、その電力も無駄になる可能性があるわけです。

PoS(Proof of Stake)

PoS(Proof of Stake)は一定以上の仮想通貨を保有しなければマイニングに参加できないコンセンサスアルゴリズムです。

保有量が多いほど、次のブロックを提案し、マイニング報酬を受け取ることができる可能性が高くなります。

PoWの電力の無駄の大きさに対する批判は少なくありません。そこで電力の無駄を減らすために生み出されたのが、仮想通貨の保有量によってマイニングするPoSです。PoSの代表的な仮想通貨にイーサリアムがあります。

PoSのメリット

PoSのメリットは低コストかつ51%攻撃を防ぐことができる仕組みがあることです。

PoWはマイニング報酬の獲得のために、大量のマイナーがナンス値の計算を行います。しかし1番最初に計算に成功した1つのノードを除いた全てのマイナーにはブロックの追加ができません。

たとえば100人のマイナーがいても、選ばれるのは1人のため、99人の計算は無駄になります。非常に多くの電力を無駄にしており、コストがかかっています。

しかしPoSなら仮想通貨の保有量に応じてブロックを提案する権利が与えられる仕組みのため、大量の電力が無駄になることがありません。マイナーにも地球にも優しいです。

さらに51%の攻撃を防ぐのにもPoSは有効とされます。

まず51%攻撃を防ぐためには、莫大な量の仮想通貨を保有する必要があります。

そして仮想通貨を莫大に保有した状態で、仮にそのマイナーが不正を行えば、仮想通貨の信頼性が激減し、大幅に値下がりするはずです。

その結果、不正を行ったマイナー自身が仮想通貨の価格の下落の影響で大損害を抱えることが予想されます。

そのため51%攻撃を仕掛けよううとするマイナーが現れにくいです。

PoSのデメリット

PoSには流動性の低さ富の集中のデメリットがあります。

まずPoSは流動性が低くなりやすい傾向があります。PoSのマイニング権利は多くのPoSを保有しており、保有期間が長いほど与えられやすくなる仕組みです。

そのためマイナーは既に保有している仮想通貨はもちろん、新しく獲得した仮想通貨を溜め込む傾向があります。

しかしそもそも通貨は流動性が高いことで、その存在が成り立っているものです。流動性の低さは致命的な問題だといえます。

発行上限をなくすことで流動性を担保する対策が取られていますが、流動性が低い傾向があることは理解しておきましょう。

2つ目のデメリットは富が集中することです。

仮想通貨の価格上昇とともに、初期段階でPoSの仮想通貨を持っていた方の富は増えます。

さらに価格の低い初期段階で仮想通貨を購入していた方はブロックの提案権利を与えられやすく、多くの仮想通貨を獲得可能です。

このように富が多い方は、さらに富を得やすい状態になっています。

そのため新しくPoSのマイニングに参加するハードルは高く、新規参加者が少なければ、仮想通貨自体の価値が徐々に低下する可能性もあります。

PoI(Proof of Importance)

PoI(Proof of Importance)は仮想通貨の保有料だけでなく、取引数や取引量、取引相手の信用スコアなど総合的に判断し、ブロックを提案できるノードを決定する仕組みです。

信用度が高いほど、ブロックを提案しマイニング報酬を得られる確率が高くなります。

PoWの電力の無駄を削減するために生み出されたPoSには、「お金持ちがよりお金持ちになるための仕組みだ」とする批判が集まりました。

そこで保有量以外の要素も取り入れたのがPoIです。ネムコインに代表されます。

PoIiのメリット

PoIのメリットは誰でも頑張ればブロックを提案し、マイニング報酬を得られるチャンスがあることです。また仮想通貨の保有量だけでなく、多角的に評価されるため、公平性が保たれています。

PoIのデメリット

より公平性を保つ仕組みではあるものの、保有量も信用スコアの評価ポイントとなっているため、お金持ち(仮想通貨の大量保有者)が有利である状況に変わりありません。ただPoSと比べれば、公平性が高いです。

PoC(Proof of Consensus)

PoC(Proof of Consensus)はあらかじめブロックを承認するノードが定められているコンセンサスアルゴリズムです。ブロックを承認するノードを変えることはできません。

バリデータと呼ばれる取引の承認作業を行う特別なノードが存在し、バリデーターの80%以上が承認することで、取引が可能になります。

PoCを採用している通貨に「リップル」がありますが、バリデータはリップル社自身が選出しています。

リップル社によって選ばれた特定の人たちによってリップルは運用されているということです。

仮想通貨の基本的理念は非中央集権的であることでしたが、PoCは中央集権的な仕組みとなっています。

PoCのメリット

PoCのメリットは取引速度が早いことです。PoCではバリデータが決められており、そのバリデータの80%が承認すれば承認作業が完了します。

他の仮想通貨では取引に数分かかることもありますが、PoCを採用するリップルは送金最速4秒の驚異的なスピードです。

送金スピードの速さなどから、実用性が高く銀行組織にも注目されており、三菱UFJ銀行、住信SBIネット銀行、みずほ銀行など大手銀行もリップルと提携しています。

またPoCは限られたノードしか参加しないため、電力が無駄にならないのも大きなメリットです。

PoCのデメリット

PoCのデメリットはバリデーターが存在しているため、中央集権的であることです。リップルに関していえば、数多くの銀行と連携して世界的にも注目を浴びているため、詐欺的なことはないでしょう。

しかし他のPoCの仮想通貨の場合にはバリデーターが結託して情報操作が行われるといったリスクがあります。

ブライベートチェーンとしては仕組み自体は活用可能ですが、リスクがあることに注意しましょう。

コンセンサスアルゴリズムのまとめ

代表的なコンセンサスアルゴリズムには4種類あり、それぞれにメリットとデメリットがあります。仮想通貨投資を行う際には、過去の価格推移などだけでなく、その仮想通貨のブロックチェーンがどのコンセンサスアルゴリズムを採用しており、どのようなリスクがあるのかを意識しましょう。